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リスニングトレーニング(インプット)・・・その1

その目的

この項目の目的は、「インプット用英語脳」を設置することです。英語脳については説明済ですが、それは比喩ではなく本当に脳の中に形成される神経回路です。
特にインプット用では「受動的」に、つまり耳にした文章の構造を瞬間的に語順どおり把握し、内容を直接的にイメージする訓練を行います。

訓練の態様と他の訓練との留意点

ただその訓練内容は以下を読めばわかるとおり、「受動的」とは言っても聴きっぱなしではありません。音読をしながら処理する、かなりアクティブなものです。発音トレーニングで述べた、言葉を認識する脳の仕組における「発声すること」の必要性を思い出してください。原理的に、ただ聴いているだけではダメなのです。
また先述のとおり、スピーキングトレーニングやリーディングトレーニングなど他のトレーニングもそれぞれ全てに対して「相乗効果」を持つので、セットで実施してこそ効率的であることに留意してください。まずリスニングを終えてからスピーキングへ、そしてリーディングへ、といったやり方は非常に効率が悪いのでやるべきではありません。

具体的なトレーニング戦略

具体的なトレーニングについては、いずれも管理人のオリジナルではなく、既に一般に広く知られているいくつかの良い方法です。それは、只管音読で言うところのテキストの音読、通訳メソッドとして知られるシャドーイング、リプロダクションの三つです(一定期間経過後、ディクテーションも登場します。後述。)。ただ、それらをつまみ食い的・無秩序にやってみるのではなく、その性質や効果、難易度を比較考慮した上で、どう戦略的・体系的に実施するかが肝心なのです。次にその戦略を示します。

■教材(選び方は後述)の英文に対する分析把握を行います。

辞書や文法テキスト、インターネット等を使って文法的に完全理解してください。間違ったものを身体に刷り込むわけにはいきませんので。音声付ならgoo辞書、豊富な用例なら英辞郎がお薦めです。

■それを音読します。

リプロダクションへの準備です。完全理解した文法や意味を、日本語を介さず英語のまま、脳内で再現しながら音読します。意味というのはもちろん、日本語のことではありません。内容のイメージです。できるだけ本来的な英語のスピードで。

■シャドーイング1

これもリプロダクションへの準備です。ある程度音読に慣れたら、テキストの音声に従って同時に読み上げることで、より本格的なイントネーションやスピードに近づけます。音読において適切なスピードや発音を実現するため、ネイティブが教材を読み上げた音声を用いることが重要ですが、一般の教材に付属するCD等はゆっくり読まれたものが多いので、フリーソフトであるsound engineによってスピードアップ編集します(方法は後述)。(スピードの問題については一般にはそれほど言われないことですが、後ほど詳しく述べます。極めて大切なことです。)
この段階ではときどき音声を止めながら訓練してください。ナチュラルスピードは早口言葉と同じなので、少しずつ訓練しないと、とても口が回りません。また、読むことにのみ注意を奪われて、脳内のイメージ再現を怠らないようにしましょう。

■シャドーイング2

テキスト音声にほぼ慣れたら、全く音声を止めず、完全について行きます。絶対に脳内再現を忘れずに。意味を再現せず、ぼんやり音声だけ再現していると気づいたらやり直しです。

■リプロダクション

シャドーイングで完全にスピードを実現できたら、今度は意味のかたまりで文章を区切って再生し、その区切り単位ごとに音声記憶を保持し、音声の無いポーズの間にそっくり真似て口からだします。もちろん意味の脳内の再現も。

文章だけではわかりにくいでしょうから、補足します。
次に、オバマ大統領の演説の一節があります。

But above all, I will never forget who this victory truly belongs to. It belongs to you.

これを意味に区切ります。
But above all,/ しかし何よりも
I will never forget/ 私は決して忘れないでしょう
who this victory truly belongs to./ この勝利が本当には誰のものであるかを
It belongs to you./ それはあなたがたのものなのです。

これを頭に入れた上で、
(音声)But above all,~~~~無音~~~~
(あなた)        But above all,
(音声)I will never forget~~~~無音~~~~
(あなた)           I will never forget
(音声)who this victory truly belongs to.~~~~無音~~~~
(あなた)                  who this victory…
(音声)It belongs to you~~~~無音~~~~
(あなた)          It belongs to you

とオウム返しするのです。おわかりでしょうか。

区切りがあるのでシャドーイングより遅い気がして簡単だと錯覚しがちですが、英文そのもののスピードはそのままである上に「記憶する」という作業が追加されますので、シャドーイングより高度です。早口言葉的な難易度はシャドーイングのほうが高いですが。
意味の区切り方は後述する「リーディング」の項目の「コツ」を参照してください。
ここでも、sound engineで音声を加工する必要があります。区切りの区間の無音の部分は、もちろん直前の英語音声と全く同じでなければなりません。

最終的にはこの、「意味の区切りごとに記憶を瞬間的に把握・保持できるようになる」という点に、リスニングに対する大きな意味があるのです。考えてみてください。日本語だったら普通にできていますよね。日本語面では既にできている脳内の神経回路を、英語で強引に造ろうというわけです。

戦略の意味と回数

それぞれのノウハウの戦略的順番の意味がおわかりでしょうか。そして、なぜこれほどたくさんの回数(具体的な回数は後述。)、音読を繰り返さなければならないかおわかりでしょうか。脳内に新しい神経回路を引く作業だと理解すれば、すんなり納得できると思われます。
ここまで噛み砕いて、初めて一つの教材を吸収し尽くすことができます。繰り返しますがこれは、「リスニング」のトレーニングです。スピーキングではありません。


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