以前から気になっていた、「チャンク英文法」をやっと読んでみました。
結論として、細部の個別事項には新たな知識はありませんでした。
でも、本の中で直接的に表現されているわけではないものの、概論的構成に大きな示唆を感じました。それは、「チャンク(かたまり)の種類による英文法の体系的分類」という考え方です。
まず個別事項に関して言うと、既存の文法知識に対して可能な限り「ニュアンス」による説明を試みている点で、丁寧ではあります。
例えば、冠詞を「数えられる一つのものにつける」などと機械的な言葉で説明するのではなく、「同質のもので形成される概念的集合体(鳥、など)の中から一つを選んで抜き出した感じのもの(その中で今目の前にいる一羽の鳥、など)にはaがつく」「質そのものに言及しているものはつかない(水など)が、それが一つの単位として抜き出す形になると、つく(コップ一杯の水、など)」といった説明が行われています。
もちろん、こんな硬い言葉で書いているのではなく、イラストを用いてわかりやすく語られています(゚∀゚;)
ただ、こうしたニュアンスの説明は「山口英文法」でも行われており、英語業界では特別に真新しいものではありません。
一方で「チャンク(かたまり)の種類による英文法の体系的分類」はかなり有用なので、管理人が直接的に表現してみたいと思います。
多数の項目に亘っているため場当たり的・散漫になりやすい英文法全体を、極めて簡潔に整理し、目的を与える効果がそこにはあります。内臓や筋肉や皮膚がバラバラに横たわっていたものが合体して、ピシッと背骨が通り、意思を持った有機的な生物として動き出す感じでしょうか。
これはスピーキングやリスニングに使える実践的な英語脳の形成作業にそれなりの貢献をすると考えられます。
すなわち……。
名詞、不定詞の名詞的用法、動名詞、名詞を修飾する形容詞、不定詞の形容詞的用法、等位接続詞や関係代名詞で全体が名詞化された文、などは名詞チャンク。
動詞、助動詞、それらの基本的な順番を表す文型、疑問文や命令文の際の順番入れ替えルール、時制ルールなどは動詞チャンク。(これを「かたまり」と呼ぶのは、本当はいささか抵抗があるのですが。)
単独の副詞、慣用句的副詞、whenなどの接続詞による副詞節、不定詞の副詞的用法、分詞構文、仮定法などは副詞チャンク。
強いて言えば、補語になる形容詞は形容詞チャンク。
そして名詞チャンクはモノの呼び方を、動詞チャンクはモノの動きを、副詞チャンクは動きの詳しい説明を、形容詞チャンクはモノの状態を表し、これらが文の中に決まった順番で配列される……。
こうして整理すると、英文法全体はたった3つ(プラスアルファ)の要素と、その語順によって形作られている、とてもシンプルなものであることが見えますね。
言いたいことを効果的に表現するのに、たったこれだけのシンプルなことなら、使いこなせそうな気がしませんか? また、聴くときにも、内容を予測しながら整理できそうな気がしませんか?
「仮定法は仮定するときに使う」
「分詞構文はwhen, as, if, though, andの意味のときに使う」
「不定詞には名詞的、形容詞的、副詞的な三つの使い方がある」
などと個々バラバラに詰め込んだ状態のままより、はるかにわかりやすいです。
スポーツ・イングリッシュでは「フォレスト」と「山口英文法」の二つを文法例文クイックレスポンス作成のネタ元として推薦していますが、「チャンク英文法」も文法知識を自分の中で整理・再構築するための教材として推薦します。
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皆さん、教科書の最後のページの練習問題だけを見て「ダメだこりゃ」なんて考えるのは早計です。そこへ着実に到達できる過程が、最初のページから全部書いてあるのです。